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評価:
百田 尚樹
幻冬舎
¥ 782
(2012-04-12)
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モンスター読了。女性の作家さんかと思いきや、58歳の男性作家さん。びっくりした。。
最終的には幸福よりもプライドを取った女性の物語、だと思っていたんだけど最後の章題が”幸福”。和子・美帆の性格が見えてこない、のんびりした人とかおせっかいな人とか、都会と田舎どっちが好きとか何色が好きとか何月生まれとか。不細工な顔と悩んでいる姿だけが見えてくる。彼女が崎村について行くには、どうすれば良かったんだろう。どうやったら心に憑いていたものがぽろっと取れて、なんとなくついて行こうと思えるのだろう。ずっと解けない謎になるか、これから10年後読み返したら答えがわかるのか。そこに幸福のヒントが隠されている気がするけど私にはまだわからない。。もし彼女が執着しているものがお金ならもっと楽だっただろうな、その美貌でお金持ちの相手を見つけてるだろう。一度恨むと許すのには、一度執着すると忘れるのには、長い時間がかかる。美帆はもう誰かを愛することができないんだろうな。だから10代の頃に感じた愛情に執着してるのだろうか。だから英介と和子を忘れることができないんだろうか。
読み易く面白い小説なんだけど、ラストシーンがよくわからなかった。死のタイミングも会話の内容も和子の気持ちも。どんな意味が隠されているのか。英介軽い男性だなーとか思いながら読み続けてたらあっさり終わっちゃって、彼女の執念とかはどこにいったんだよって、私は煮え切らないもやもやを消化しきれなかったです。美帆なら生き返って復讐してもいいんじゃないかとか、変な宗教に嵌っていくのもいいんじゃないかとか妄想してたら、だからこのタイミングでこんな風にこの若さで死んでいくことが彼女の”幸福”なのではないかと思えてきた。映画はもっと分かり易くヒントが入っていることを願う。。